閑散期に行う、農作業の安全衛生教育
安全衛生教育は、是非行って下さい。
農業の死亡事故は他産業に比較し、高い水準で推移しており、農業は産業の中でも、特に危険な産業であることを意識する必要がある。
就業者10万人当たりの死亡事故者数は建設業の約2倍、全産業平均の約10倍近くある。他産業と異なり、近年、上昇傾向を見せている。

出典:農水省Webサイト https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/sizai/attach/pdf/240222-2.pdf
一度、労働者が労災事故(労働災害)に遭うと
使用者は、労働者が業務上負傷しまたは疾病にかかった場合、必要な療養を行う等の災害補償義務を負っており、死亡事故であれば生涯賃金が要求される「( 労働基準法「( 昭和22年法律第49号)第75 条~81条)。
労災保険に加入していて、労働者に労災給付が行われた場合、その範囲で補償責任を免れることになる(労働基準法第84 条)が、不法行為や債務不履行などの安全配慮義務違反があった場合、民法上の損害賠償を請求される場合がある。
まずは、国の労災保険に加入し、上乗せ補償としてJA共済や民間保険の加入を検討する必要がある。
労働者の死亡や4日以上の休業の場合、遅滞なく「労働者私傷病報告書」を労働基準監督署に提出しなければならない。労災給付は請求しても「労働者私傷病報告書」の提出を失念しているケースが散見されるので、注意が必要である。
事故防止
労働安全衛生関係法令では、労働者が従事する業務により労働災害に被災しないよう、職場環境や取り扱う機械設備・材料の持つ危険性や有害性を知らせるほか、安全な作業手順等を教育しなければならないとしている。
安全衛生教育
労働者を雇い入れ、又は労働者の作業内容を変更した際は、次の項目について、雇用区分や国籍に関わらず、すべての労働者に対して、安全衛生教育を行わなくてはならない。
- ① 機械等、原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取り扱いに関すること
- ② 安全装置、有害物抑制装置又は保護具の性能及びこれらの取り扱いに関すること
- ③ 作業手順に関すること
- ④ 作業時開始時の点検に関すること
- ⑤ 当該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防に関すること
- ⑥ 整理、整頓及び清潔の保持に関すること
- ⑦ 事故時等における応急措置及び退避に関すること
- ⑧ 前各号に掲げるものほか、当該業務に関する安全または衛生のために必要な事項
農業においては、①~④の安全衛生教育を省略することができたが、2024 年 4月から①~④を含むすべての項目について教育が必要となっており、雇用区分、国籍を問わず行う必要がある。
近年の外国人労働者の増加に伴い、特に、外国人労働者にはその内容を理解できる方法(母国語や平易な日本語を用いる等)で行い、事業場内の労働災害防止に関する標識や掲示等についても図解等で示すなど、外国人労働者がその内容を理解できる方法を用いる必要がある。
増える熱中症
2023 年(令和5年)の農作業死亡事故において、熱中症の死亡者は37人(全体の15.7%)となっており、農作業死亡事故に占める割合は増加傾向にある。
統計資料
令和7年
農作業死傷事故件数
6月の事故のうち、熱中症の疑いがある事故が14件(うち死亡事故8件)ありました。
昨年6月と比較すると2倍を超える392人に増加しております。
7月の事故のうち、熱中症の疑いがある事故が17件、そのうち死亡事故が7件(うち5件が70歳以上)ありました。
図1
農作業死傷事故件数
令和5年からの比較です。
図2
農作業死亡事故件数
令和5年からの比較です。
図3


