栽培管理
農薬散布時における周辺作物・周辺住民等への影響の回避。
農薬散布時に、隣接するほ場等の作物に農薬がかかると、作物の生長に悪影響が出たり、残留農薬基準値の超過の原因になったりする可能性があります。
また、周辺の民家等へ農薬が飛散してしまうと周辺住民に健康被害を及ぼしたり、建物や車等に被害を及ぼしたりします。
こうした被害等を防ぐため、飛散の少ない剤型・飛散低減ノズルの使用に努めるとともに、風のない又は風が弱い日、時間に農薬を散布して自農場の農薬散布によるドリフトを防いだり、周辺の農家に連絡をし、収穫時期を教えてもらう等、ドリフトの影響を少なくするよう努めます。
農薬は、周辺環境を汚染しない場所で必要な量だけ調製し、使用した計量機器等の洗浄を適切に実施。
散布作業前に、防除の準備を整えます。
まず、防除器具等が適切に動作するか、事前に確認し、詰まりや前回使用した農薬が残っていないか点検します。
次に、農薬の調製時は最も濃度が高い、原液に接触する危険がありますので、番号56 に定められた防護装備を適切に装着して作業に当たります。
農薬を保管庫から出す前に、適切な保護装備を装着します。
農薬の散布液が余ると、余分に散布して使用基準違反になってしまうことがあります。
余分に調製すれば、無駄に農薬を消費し、廃棄処分で環境への負荷も増加します。
したがって、必要最小限の散布液を調製し、農薬の使用基準違反の回避、環境汚染の防止、経済負担の軽減に努めます。
まず、ラベルに表示されている単位面積あたりの使用量と、農薬を使用する農地の面積から、必要な量だけを秤量して散布液を調製します。
農薬使用計画に基づき、適正に農薬を使用するとともに、使用前に使用濃度や散布方法など、適正な使用方法の再確認を実施。
農薬を使用する際には、農薬ラベルに適用作物、使用回数、使用量、希釈倍数、収穫前日数、使用上の注意事項や被害防止方法等が記載されていますので、必ず確認しましょう。
「農薬取締法」では、容器又は包装にあるラベルの表示内容を確認し、表示内容に従って使用することが定められています。
ラベルの表示内容を遵守していないと、農薬使用基準違反に問われたり、残留農薬基準違反により出荷した農産物を回収しなければならなったりする場合があります。
また、最終有効年月を過ぎた農薬は、効果が保証されないだけでなく、使用基準が変更されている場合には、表示内容を守っていたとしても残留農薬基準違反になる可能性があるので、使用しないようにします。
使用する予定の農薬の情報をまとめ、使用基準違反を防ぐ農薬使用計画を策定。
農薬を使用する際には、「農薬取締法」に基づく登録を受けたもの、かつ、有効期限内のものを使用する必要があります。
食品の安全を守り、周辺環境に配慮して農薬を適正に使用するため、まず、農場で使用する予定の農薬のリストを作成します。
その際、都道府県の「防除指針」、普及指導センターや JA の防除暦などを参考にします。
リストに記載する際に、その農薬には農林水産省の登録番号があることを確認します。
続いて、農薬取締法に定められた「使用基準違反」にならないように、リストを整備します。
多様な防除方法(防除資材、使用方法)を活用した防除(IPMにおける「防除」の取組)。
IPM では、化学的防除だけでなく、「物理的防除」、「生物的防除」など多様な防除方法を組み合わせることを基本として、粘着シート、天敵など化学農薬以外の多様な防除資材を活用し、適切な使用方法による防除を行います。
また、化学農薬の使用においては、可能な範囲で環境負荷の低減にも資する化学農薬を活用し、環境負荷の低減にも資する使用方法による防除に取り組みます。
病害虫・雑草の発生状況を把握した上での防除要否及びタイミングの判断(IPMにおける「判断」の取組)。
IPM では、病害虫・雑草による被害が生じると判断される場合に防除を行うことを基本として、「発生予察情報の活用」、「ほ場観察」により病害虫・雑草の発生状況等を把握した上で防除要否及びタイミングを判断します。
病害虫・雑草が発生しにくい生産条件の整備(IPMにおける「予防」の取組)。
IPM では、病害虫・雑草が発生しにくい生産条件の整備のため、「健全な種苗の使用」「病害虫の発生源の除去」に取り組むことが基本となります。
これらの取組に加えて、栽培する作物の種類、地域の実情を踏まえた取組等を可能な範囲で実施します。
隣接ほ場からの農薬ドリフトの影響の回避。
農薬の工程管理を検討する上で、自らのほ場・農産物に対し、周辺で使用される農薬からの影響があるか、ドリフトの危険性について調べます。
ドリフトの影響が懸念される場合には、周辺の農薬使用者とコミュニケーションをとり、お互いに農薬の影響がないよう話し合いをします。
信頼できる供給元からの適正な手段による種苗の入手、育苗の管理及び種苗の調達に関する記録の保管。
農業における健全な種苗(種子、苗、種菌)の入手、育成は経営上、重要な工程です。
種苗の入手・育苗を管理、記録し、見直せるようにすることが大切です。

